牢死したはずの平賀源内が、実は生きていて、江戸の長屋に住んでいたという大胆な発想で、「平賀源内お化け長屋」は展開します。
その長屋の住人たちは、なにかおかしい。それもそのはず住人たちはみんなお化け。化け猫、一つ目、女郎蜘蛛、のっぺらぼう、ろくろ首、得体のしれないかしまし三婆たちのメッセージを6回に分けてお届けします
ぬりかべ長屋4号室 おくも
ぬりかべ長屋5・6・7号室 かしまし三婆
いったい何なんだい?インタビュー?何だいそりゃあ?
え?「かわいい」お化け?あたいが一番かわいいって事かい?
なんだい、お前さん、判ってるじゃないか。ならしゃべってやってもいいよ。
あたいは鳥追い女のお玉だよ。鳥追いってのは…そうさね、今で言うストリート・ミュージシャンってとこかね。道端で三味線弾いて唄って、お足をいただくって稼業さ。あたいみたいな器量良しの太夫になると、お客さん達が楽しみに待っててくれるのさ。お江戸の町のアイドルってとこだね。やっぱり秘密めいたミステリアスなとこが受けるんだろうね。ゴロゴロゴロ……
え?あたいの秘密は何かって?いきなり聞くかい?お前さんもなかなか図々しいね。その前に、アイドルらしく公式プロフィールってもんを作ってみたんだ。これを読めばあたいの秘密も解ろうってもんさね。
名前 お玉
生年月日 忘れちまったね~
身長 すいか5個分
大好物 行灯の油 酒
趣味 ねずみ捕り
特技 人間に化けること 猫なで声 三味線
欠点 猫舌
チャームポイント 先が二股に分かれたしっぽ キュートな猫耳
ライバル キティ・ホワイト
(こいつは何にでも化けちまうんだ。化け猫のあたいもびっくりさ。)
夢 ブロードウェイの舞台でメモリーを歌うこと(ずいぶんと 長いことやってる「キャッツ」とかってのがあるそうじゃないか。)
好きな時間 満月の夜の宴会(うちの長屋の宴会は最高さ!)
どうだい?もう解ったにゃ?そう、あたいは化け猫さ。猫又にゃんて呼ばれることもあるにゃあ。可愛い可愛い猫ちゃんが、どうして化け猫ににゃっちまったのかって?野暮なお人だにゃん。そいつは聞かにゃいでおくんにゃあ。猫にも色々事情ってもんがあるにゃあ。
相棒の三味線(こいつはあたいの親友だったおミケちゃんの皮でできてるにゃあ)と一緒に旅から旅へ。今はこの居心地のいいぬりかべにゃがやに落ち着いてるってわけだにゃあ。
ここはみゃ~ほんとに住み心地のいい処にゃんよ。にゃがやの連中は面白いやつらばっかりだからにゃん。おばけより正体不明にゃご隠居にゃんもひとり住んでるしにゃあ。
そう言えば今夜は満月だにゃ~。にゃんだったらお前さん、1回遊びに来たらいいにゃん。みんな大歓迎するにゃあ。度胸があれば…だけどにゃ~!!にゃひにゃひにゃひ…
にゃにゃんにゃにゃにゃん……………(満月のせいで通訳不可能のため強制終了)
おろくちゃんのプロフィール
名前 おろく
年令 17歳(但しお化け年令)
家族 おっかさんのおひら
特技 首が長~~くなる事
あたしは、おろく。ぬりかべ長屋の人気者?
でも、かわいいばかりでなく、とてもしっかり者。
おっかさんが作る「まよけ札」を売り歩いているの。このまよけ札、評判がよく稼ぎもまあまあ。だからうちは大家さんに店賃払えるの。(この長屋で店賃ためずに払っているの、うちだけだよ)
でもね、静かだった長屋に事件が! まあそれはシバイを観てのお楽しみ。
わたし、大変だった。ろくろ首のおろくと言う娘をかかえて、転々と住処を替えてきたんだ。だってさ、子供だけは、何としても守っていかないといけないだろ。
お化けだって恋をする。 で、わたしは、人間の男に惚れて……。
子供は、人間か? お化けか? 悩んだねぇ。
人間だったら、手離さなければいけないし。
いまでもこれは、わたしの恐~いトラウマだよ。
惚れた男は、どうなったかって? そんなの簡単だよ。
わたしには、化け芝居は、続けられない。正体が分ったら逃げ出すよ。
でもさ、のっぺらぼうが、人間に悪さをしたなんて話は、聞かないだろう? わたしが、ぺろ~っと、振り向くと、人間達は、腰を抜かしてしまうんだよ。
西洋のお化けなんて、吸血鬼、狼男… 背筋も凍る恐怖だよね~ 日本人の豊かな想像力とやさしい心で、わたしらみたいな、どこかユーモラスで愛嬌のあるお化けが生まれたんだろうね。
今は、やっと居心地のいい住処が見つかり、仲間もできて楽しく暮らしているけどごうつく大家が何やらたくらんでいて、いつ追い出されることやら。
頼りにしているのは、同じ長屋に住んでいるご隠居さんなんだけど、深い秘密がありそうで、わたしらどうなるんだろうね?
さあて、今夜は満月!
あんたかい? わたしの肩をたたくのは……。
皆さん、こんにちは!私は「おくも」と申します。
もちろん女性です。気はやさしくていい女なんです。
生活に困り、今は夜鷹やっています。
でも歳のせいでしょうか?お客がめっきり少なくなり、
長屋の店賃も払えないしまつ・・・今頃の男性は見る目が無いんですよねー★
ー苦しい事ばっかりじゃないんです♪ー
満月の夜は長屋でお化けになり、皆でストレスを発散しています。
外から見れば異様でしょうけど、私たち自身すっごく楽しいんですョ。
一生のうち一度、お化けの気持ちになりたい方々。。。
一度満月の夜遊びに来ませんか?!お待ちしています。
その時、私「女郎蜘蛛」が、たっぷりサービスしてさし上げますょ。
お待ちしています。
かしましい、かしましいとかしましいねエ
あたしらは、かしましであって、かしましいんじゃないよ!
だから、かしましいんだろうって?
そりゃ女が三人も寄れば、姦しいだろうが、
「百鬼夜行絵巻」に載っているぐらい有名な???妖怪だよ。
一人、ひとりはカワイイもんさ。趣味は、夜這いだからね~~。
お松 「あたしゃ、図体がでかくグウァ、グウァと男どもを食って生きてきたガマカエルだよ。かしましの世界を取り仕切ってきたが、この頃は腰もすっかり曲がっちまって、夜這いもままならないよ。」
お竹 「あたしゃ、ちっちゃくって丸っこいアマガエル。クワッ、クワッと可愛いく男に甘えていたが。なにせ、唯一の楽しみが食べることでさ。すっかり肥えちまって、思うようにジャンプが出来ないないのさ。」
お梅 「あたしゃ色気タップリのカジカカエル。リィー、リィリィときれいな声で鳴いて男どもをうっとりさせ、夜這いをしてたのさ。ところがこの頃は、環境汚染ですっかり水が濁り、声までにごっちまったよ。」
三婆 「あーあ、昔はよかったねー。男どもが待っててくれたのにさ。 百年も生きていると、この頃はあたしらの顔を見ただけで、逃げてやんの!。まったく近頃の男は、だらしないったらありゃしない。
まあ、せめて満月の夜だけでも、楽しもうじゃないか。 ギヤッ、ギャッ、キュッ、キュッ、ジイー、ジィジィ」
あれッ、鳴き声が変じゃないかって?
そんなことは、ありませんよ。昔のままの色っぽい三婆ですから。
劇場まで確かめに来てくださいよ。
でも、子どもの頃はお化け屋敷を見にいっても目をつぶって走って逃げてたでしょ。
今度は、しっかり目を開けて最後まで見てくださいよ。
そして、夜中に横に寝ている人の顔をそっと見てごら~~~ん
えっ「わたしゃひとり寝だよッ」 これはしつれいしました。