この秋青春座が挑戦するのは、ご存じ松本清張作品「ゼロの焦点」。
劇団員も脚本をもらった日から清張作品を舞台でやれる高揚感にみんなワクワク、ドキドキしながら稽古の始まる日を待っていました。
その稽古も立ち稽古に入って、みんな次第次第に清張ワールドへと引き込まれていっています。
さあ、ではわたくしサリーがその稽古場を覗きながら、清張ワールドへ皆さまをご案内いたしましょう!
11月公演のその日まで私と一緒に清張ワールドをた~~っぷりお楽しみ下さい!
*ここは終戦後間もない昭和24年の東京・立川、とある街角。
おや?どこからかブギの陽気な唄が聞こえてきます。
唄声を頼りに探してみましょう。
あ、いました!いました! 歌っているのは5人の陽気な女たち。
みんな私の仲間たちです。 紹介いたしましょう!
まずは、口は悪いけど人情家のトミー、
次は気配り上手な優しいチャコ、
チェリーは唄がうまく(?)て陽気な女の子、
鮮やかなグリーンがよく似合うミドリ、
控えめでおとなしくて体の弱いナオミ。
そして私サリーは本が大好きな、もと文学少女。
え?どんな仲間なのかって?
ここは立川、進駐軍の街。アメリカの兵隊さんがいっぱい。
とくれば、言わずと知れたパンパンのお姉さま方でぇ~す! (^_-)-☆
清張ワールド、まず幕開けは明るくたくましく、そしてちょっと哀しく生きている私たちの世界をお楽しみ下さい!
皆さま、今日もようこそ“清張ワールド”へ足をお運び下さいました!
今回わたくしサリーがご案内いたしますのは、時は流れて前回から9年後。
昭和33年のやはり東京。お日柄もよい初夏の一日、場所はこの頃都心に増え始めた豪華大型ホテルのロビー。
一隅に話がはずんでいるひときわ華やいだ一団が。
そ~っと近づいてみましょう。
あ、どうやらお見合いのお席のようです!
真ん中に陣取ってらっしゃるのは、世話好きがそのままお顔に出てらっしゃる有閑マダム風のご婦人。今までまとめ上げた縁談の自慢話をなさっているようです。
昔はどこでもこんなご婦人が縁結びに大活躍なさって、おかげでたくさんのカップルが誕生してたんですよねぇ。
最近はこんなでしゃばり、おっと失礼! m(__)m
お世話好きの方もあんまりみなくなって、結婚できない若者が増えてる一因もそこにあるのかも…、な~んて、思わず脱線しちゃいました。
大急ぎでホテルのロビーに戻りましょう。
お見合いの女性の方は…、見るからに清楚で初々しくて『結婚したい女性ランキング』の上位ランク間違いなし!といった感じ。付き添いはどうやらお母様お一人のようです。 いかにもご自慢の娘、といったご様子。
男性の方は…、30代半ばかな…?
(あれ?この人どこかで会ったことがあるような気が…。)
こちらの付き添いはお兄さんご夫婦。
お兄さんが口から泡を飛ばして喋ってらっしゃるのは、もうすぐ出来上がる東京タワーのお話。盛り上がっていますねぇ。(^^)
と、あれこれしてるうちに、主役のお二人、なんかいい雰囲気♪
どうやら話がまとまりそうですね~。 お二人さん、どうぞお幸せに~!
いいなぁぁ~、お見合い…。でも、ワタシたちには普通の結婚なんて夢のまた夢…。
結婚なんて潔くあきらめちゃえ! でもぉ…、夢がかなったらいいなぁぁ…。(T_T)
昭和24年、そして33年にタイムスリップして、皆さまをご案内しています“清張ワールドへようこそ!”
今回わたくしサリーがご案内するのは、前回から季節は移って、師走中旬の東京。23日の東京タワーの落成式も間近に迫っています。
今日は欲張って、上野駅と下町に皆さまをお連れいたしましょう!
まずは、上野駅。東京の北の玄関口。
東北や北陸から上京する人たちや、逆に帰る人たち、大きな荷物を抱えた行商の人や仕事で行き来する人たちで相変わらずごった返しています。
元気な駅弁売りのお弁当もおいしそうです。
その中で、高価そうなお着物に身を包んだ、上品なご婦人の一団に見送られているのは、これも裕福そうなご夫婦。どこかの社長さんとその奥様といった風情。セレブな会話がはずんでいます。
(あ! この奥様、どこかで見覚えが…。何年か前です、確かに見たことが!う~~、でも、思い出せません!)
ホームの奥に立ってる会社員風の男性は、どこかに出張でもするのでしょうか。
新婚さんのお見送り風景も。
あれ?5月にお見合いしてたあのお二人じゃありませんか!
お見合い、大成功だったようですねぇ!
旦那サマが仕事で北陸の方にでも行くのでしょう。名残り惜しそう…。ウフ。
さて、上野駅を後にして、次は雪もよいの風が吹き抜ける下町の一角に足を延ばしましょう。
ん~~~、どこからともなく い~い匂いが…。
お! 温かい湯気を上げながら焼き芋屋さんのリヤカーが近づいてきました。
どうやら夫婦でやっている焼き芋屋のようですねぇ。
前を引っ張るのは いかにも働き者といった奥さん、後ろから押しているのは気の弱そう~な、優しそうな旦那さん。(^^)
(あ!トミーじゃありませんか!こんなところで幸せを掴んでたんだぁ!(^o^))
早速女の子が走ってきましたよ! 今も昔も年齢を問わず女性は焼き芋が大好きなようで。 (^_-)-☆
あ、今度は男の子も。
今と違ってこのころは、子供のおやつといえば、こんな自然食品がほとんど。だから、心身ともに健康に育ったんですねぇ。
それに引きかえ、今は…、お~っと、またまた脱線しちゃいました。
その間に子供たちは焼き芋抱えて帰っちゃいましたよ。( ̄_ ̄;)
焼き芋の壺から上がる湯気の中に雪が降りかかります…。
今回は皆さまにお会いするのが遅くなりまして、申し訳ございません~!
なんせ、東京から石川県へと移動しておりましたのでちょ~っと時間がかかりまして…。 (^_^;)
さぁ、では早速皆さまを「清張ワールド」へとご案内いたしましょう!
前回は 思いがけない所でトミ―の姿を見ることができました! 幸せそうなその姿に私も嬉しくなってしまいました!
それにつけても思い出されるのは他の仲間たち。みんな今頃どこでどうしてるんでしょう…?
面倒見のよかったチャコは? 歌の好きだったチェリーは? いつも元気いっぱいだったミドリは? 体の弱かったナオミは?
そして、かく言う私、サリーは? いったいどこにいるんでしょう???
私の大事な仲間たち…。 みんなちゃんと生きていってるんでしょうか?
トミーみたいにしあわせを掴んでるのでしょうか?
立川のあの頃はみんなその日その日を生きるのにただただ必死だった…。
生きるために何でもした…。
いけない、いけない! 想い出と感傷に浸ってる場合じゃありませんでしたね! 早く皆さまをご案内しなければ!!
さぁて、今回からいよいよ東京を離れて 石川県は金沢、そして能登へと舞台は移ります。
…前回、師走の上野駅で新婚さんやセレブなご夫婦を見送った日から2日後の能登半島。
ここは、その真ん中辺のちょうど半島がくびれたあたりにある高浜という小さな町。
人通りもまれな通りを雪混じりの風が吹き抜けています。その通りに面して、高浜分署と看板がかかっている古びた警察署が。
おや?その一室から女性の悲痛な泣き声が…! 何があったのでしょ?! 事件!? 事故?!
気になりますねぇ!早く覗いてみなくちゃ!
声が聞こえてくるのは……、廊下の奥、急ごしらえの霊安室といった薄暗い部屋。あ、白い布をかぶせられた男性の遺体が見えます!その遺体にすがって一人の女性が号泣しています。かわいそうに…。ほんとに何があったんでしょう。
そばには検死医らしい白衣を着たお医者さんと、いかにものどかな田舎の町にぴったりの、のんびりした素朴な感じのお巡りさん。
二人ともこの場にいたたまれないといった様子…。
あれ? この女性は…!
あっ!あっ!あ~っ!さっき思い出してたチャコじゃありませんかぁ~!!
立川にいたころとずいぶん雰囲気が変わっているんで、あやうく見過ごすところでしたが、確かにチャコ! チャコです!
チャコ、こんなとこで何してるの? 何が起きたの? その男性は誰?! チャコの旦那さん?それともお兄さん?お父さん?
事故?自殺? それとも……。
私ももうこれ以上見ていられません!
ひとまずここは泣いてるチャコをこのままにして、そっと立ち去ることにします こんな所で、昔の仲間のこんな姿を目にするなんて…。 胸が痛みます…。(;_;
前回からいよいよ「清張ワールド」らしい雰囲気になってきましたねぇ。
人が一人亡くなって、事件か、事故か…。 さぁ、これからの展開はどうなっていくのでしょう…! 楽しみなような、怖いような…。
では、「清張ワールド」の核心に続く迷路へと、皆さまとご一緒に足を踏み入れましょう!
時間はさかのぼって前回より1日前。
夜の能登半島。日本海に面して切り立った断崖。夜目にも白く泡立った波がその裾を荒く洗っています。
通称「能登金剛」と呼ばれるこの辺一帯の崖はこの地方ではよく知られた自殺の名所でもあります。
その能登金剛でもひときわ切り立ったヤセの断崖と呼ばれる地点。そこには今、冬の北陸特有の重くどんよりした黒い雲が低く垂れ下がって、時折雪も舞っています。
強い風に時折雲が吹きちぎられてそのときだけ崖の上が朧ろに見えます。
おや? 今 チラッと人影が見えたような…。
あ、間違いありません!今また見えました。こんな時間、こんな所でいったい何を…?
ん?どうやら、二人、それも男性と女性のようです。カップルではなさそうですが、かなり親しげに見えます。
なにやら話しているようですが、強い風に声が吹き消されて、うまく聞き取れませんねぇ。
それにしても、こんな時間に二人はいったい何をしてるんでしょう? もっと近づいてみることにしましょう。
あ!今まで静かに話してた二人に急に動きが! どうしたんでしょうか?! あれっ?
あ!あ!あ!あ!あ!今、女性がある行動に出ました!
え?どんな行動か?わ、私の口からはとても言えません!
ど、どうぞ本番の舞台で皆さまの目で直にお確かめ下さいませ!
では夜の能登金剛から強い風に乗って私はいったん退散することにいたしますぅ~!
は~い(*^o^*)こちら現地リポーターの禎子で~す!
(b^ー°)なにやら事件があったと聞き付けまして早速取材に参りました!
わたくし能登は初めてです。こんな形で憧れの能登を訪れようとは…
(^_^;)羽咋駅から車で1時間半。渚ドライブウェイを走りたかったのに、レンタカーのナビは何故か私を山道に導きました。昔はこんなに道きれいじゃなかったろうし、雪深いだろうし、大変だったろうな~と思いながらひた走る。
o(`▽´)o到着しました!
ヤセの断崖!崖から下を見下ろすと、恐怖で身も痩せる…という意味でついた名前だとか!?
実は今夏なので、景色がとっても綺麗でのどか~な感じ。歩道をのんびりお散歩気分です。
歩く事3分で到着、ヤセ の断崖…
でも展望所になってて柵があってこれ以上先に入れな~い !(ToT)
ここからじゃあ波が満足に見えませんけど~!ただの見晴らしの良い海ですけど~!!!!
…と、そこに1組の中年夫婦が。
( ̄○ ̄;)『この柵のむこうには行かないで下さい』の立札をかる~く無視して越えて行ってしまった!
お~い…こらこら…立札が…侵入禁止…………便乗!(よいこは真似しないように)
少し下ったらそこがもう大きな岩の岸壁。
道が悪いのでうっかり勢いよく坂を走り降りると、そのまま海にドボンになりそうで既にこわい。
(*^o^*)どこまでも広がる見事な水平線。
ここまで来ると岩に打ち寄せる波音が足元から響いてきます。
風音も急に強くなり、際まで行くと風でバランスを崩してうっかり落ちそう!夏の穏やかな気候でもこれだと、 冬はもっとすごいんだろうな…。
右手の眺め。こんな断崖が延々続いています。
左手の眺め
そして足元。(>_<)下を覗きたいけどこれ以上はこわくて進めませ~ん!
んで、やむなく岩に腹這いになり、匍匐前進で近づき撮影!この細長い影は私の腕です~。 波が渦巻いてます!この体勢でもこわいんだよ~!!!
ここから落ちたらひとたまりもないや~!…と誰かも言っていたような…。
今日は夏の晴天。水平線に向かって進んで行く白いヨットが小さく小さく…点のように見えます。
目を閉じて、風と波の音だけを感じながら、頭の中で極寒の風景を想像してみました。
ある詩の一節を、口ずさんでみました。言葉が胸に響きます。
思い付きの超強硬スケジュールでしたが、やっぱり来て良かった!
ヤセの断崖を後にし、少し離れたところから振り返ってみました。
『ゼロの焦点』の舞台は、あの断崖なのです。
皆さんもどうか記憶に残しておいて下さいね。
(o^∀^o)さ~て帰ろっと!めっちゃ遠いけど…
あれ?私は何しにここに来たのだっけ?
(^。^;)確かここで何か事件が…
まあ詳しくは11月22日23日に芸術劇場に来ていただければわかりますので!
(-^〇^-)って事でサリーさん!マイクお返ししまっす!
こうして禎子は、帰り道こそ渚ドライブウェイを目指したが、レンタカーのカーナビはまたしても彼女を山道に導いたのであった…。
禎子さぁ~ん、臨場感あふれる現地からのレポート、ありがとうございましたぁ~!
前回、ここで怪しい男女を見かけたのは夜でしたから、昼間の能登金剛はわたくしサリーも初めて!
いやぁ~、ここから覗くと冷や汗ものですねぇぇ…!
そういえば、能登から帰ってきた禎子さんが心なし細く(?)なったように見えたのは、あながち私の目の錯覚ではなかったのでしょうや?(^_-)(笑)
あ、それから、「ゼロの焦点」、公演日は11月21・22日でぇ~す!
禎子さんが日付を間違っちゃったのもヤセの断崖を覗いた恐怖のなせる技と、皆さまお許し下さいませ~! ^m^
さてさてその能登半島を後にして、今回私は金沢へとワープしてきていまぁ~す!
夜の能登金剛で1組の男女を目撃した日から数日後。古都金沢は今日も朝から重たい雪に閉ざされています。
私鉄北陸鉄道で金沢駅から約50分ほど南の山岳地帯に向かうと、鶴来という小さな町にたどり着きます。
その鶴来駅近くの古びた小さな旅館の一室。
中年の男性が一人、落ち着きなく人待ち顔な様子。それもかなり待たされているようで、イライラが募っているのが見て取れます。
どうやら土地の人ではなさそうですねぇ。観光?…ともみえません。かといって仕事でもない証拠にそんなに遅い時間でもないのに、色あせた応接台の上にお酒が。
あ、女中さんに案内されて一人の女性が入ってきました。
待ち人来たり!ん?でもその割には男性はあまり嬉しくなさそう。 なんかいわくありげですねぇ…。
あれ、なんか深刻な話が始まったようです。二人の別れ話? それとも女性の身の上相談?それとも、それとも…?
このままここで見ていたいのですが、今、どこからか私を呼ぶ声が。
ちょっと席をはずして声の用件を確かめてくることにしましょう。
ただいま帰りました!
清張ワールドの通信網で大変なニュースが入りました!上野駅にいたあの新婚さん、覚えてらっしゃいますか? その新婚さんの旦那さんが帰る予定の日になってもまだ帰ってこないんだそうです。
どうしちゃったんでしょうねぇぇ。え?あまりたいしたことじゃない?男にはよくある話? あ、そうですかぁ。
それならそっちはほっといて、さっきの部屋の続きを覗いて…、って、あれ? いつの間にか女性の方はもういなくなっちゃってますよ。
男性は?…っと、あらあら応接台の向こうに長々と横になっちゃってますぅ。全然動かないところを見るとちょっとの間に熟睡しちゃったんでしょうねぇ。お酒がまわったんでしょうか。
ま、これ以上見ててもしょうがないんで、私も金沢に戻ることにしまぁ~す!
あ~あ、それにしてもあの旦那さん、新婚早々奥サマをほっぽらかしちゃ、メッ!ですねぇ!
前回から2日後。雪が舞う国鉄金沢駅の上りのホーム。
その一隅に、そこだけ沈んだ空気に包まれて時間が止まったかのような二人連れの女性。 若い女性と、中年の女性。ちょっと歳が離れた姉妹?でしょうか。
ベンチに座る二人の間には、白い布に包まれた真新しいお骨箱が置かれているのが見えます。
師走も押しつまったこの時期にご不幸とは…。
あら!?この二人は…!
上野駅で見かけた新婚さんの奥さんと、お見合いの席で旦那さんの方の付き添いに来ていたお兄さんご夫婦の奥様ではありませんか!
わざわざ東京から?しかも二人で!二人の周りでいったい何が起こったというのでしょう?
そう言えば、前回清張ワールド通信で新婚さんの旦那さんが帰ってこないって情報が…。
ま、まさか、お骨はその旦那さん!?
あ、でも、どうやら泣いているのは中年のご婦人の方。新婚さんの奥さんに慰められているようです。 ということは…、お兄さんご夫婦の関係者の方のお骨なのでしょうか?
いずれにしても、師走の雪国の冷たさがいっそう身にしみる光景です…。 かける言葉もありません…。
どうかお二人とも気を落とされませんようにと祈るばかりです…。
前回から数日後。以前、怪しい男女を見かけた能登金剛・ヤセの断崖。
相変わらず強い風が吹きつけていますが、今日はこの季節には珍しく雲間から漏れる薄日が崖を照らしています。
その、もう早くも傾き始めた冬の薄日の中に1組の男女の姿が。
品のいい初老の男性と、若い中にも落ち着いたたたずまいの女性。崖の向こういっぱいに広がる暗い藍色の日本海に視線を向けたまま、二人ともじっと動きません。
ん?今二人の眼に涙が光ったように見えましたが、沈みかけた薄日の淡い反射がそのように見せただけなのかもしれません…。
それにしてもたたずむ二人は静かに、ただ静かに…。
動くものといえば、強い風に翻る二人のコートの裾ばかり…。 その目線の先にはもう水平線の方から暗くなり始めた日本海だけが広がっています。
8回に亘って皆さまに覗いていただいた清張ワールドですが、わたくしサリーがご案内するのはここまで。
でも、ここはまだ清張ワールドの迷路の出口ではありません。 ほんとうの出口は? そして焦点が「ゼロ」に結ばれているのはどこなのか?
どうぞ本番の舞台で皆さまの目でじかにお確かめ下さいませ!
え?そういうオマエはどこにいたのかって? そ、それもどうぞ本番でぇ~!
では、わたくしはここで消えることにいたしまぁ~す! 長い間ご一緒に清張ワールドにお付き合い下さいまして、ありがとうございましたぁ~!
「迷路の出口へ…」
11月21・22日の本番はたくさんの方に劇場にお越しいただき、ほんとうにありがとうございました!
楽しんでいただけたでしょうか? & 無事迷路から抜け出られましたでしょうか?(^_-)-☆
そして、“ゼロ”の“焦点”は見つけていただけたでしょうか?
私自身、3ヶ月半この芝居に取り組みながら、「ゼロの焦点」っていったいどこにあるのだろう?とずっと捜し続けながら思ってきたことがありましたが、舞台を終えた今、確信を持って言えます。
この物語の登場人物すべてにそれぞれの“ゼロ”があったのだ、と。
そして、きっとこの舞台を観て下さったすべての方にそれぞれが感じ取って下さった“ゼロ”があり、その“焦点”もまたお一人お一人、違うところに結ばれているのだと…。
2日間ともお客様から舞台に伝わってくる期待と熱気に包まれて、私たち役者とお客様が一つになった素晴らしい時間を全員が味あわせていただきました。
舞台裏ではいつものように大道具・小道具の出し入れに役者もスタッフも汗を流し、前の場面からの衣装替えをした役者が舞台の上手と下手をつなぐ通路を走って行ったり来たりの大奔走でしたが、今回も無事に本番を終えることができて劇団員全員、ホッとしています。
会場ロビーでお客様を送り出しさせていただいた時に一番多くかけていただいたのが、『あの難しい作品をよくここまで舞台化されましたね!』という言葉と、『迫力がありましたねぇ~!』というご感想でした。
嬉しかったです! 役者の後ろに遠慮勝ちにいらした脚本の柏田先生のお顔も綻びて、というより満面の(^o^)笑み!でしたぁ。
青春座は、今回の「ゼロの焦点」をまた一つのターニングポイントとして、これからもいろんなジャンルの作品に挑戦していきます。
ますますの応援を、“隅から隅までずずずい~っと”よろしくお願い申し上げまぁ~~す!